第8章 利得，出力P_(1dB)，雑音指数NFを実測する: 5MHz-3.5GHz/20dB広帯域アンプ基板の実力

摘要

5MHz～3.5GHzで利得20dBが得られる広帯域アンプ基板（写真1）を評価します．価格はネット通販サイトで1,379円（2021年3月）です．他のネット通販サイトでも多数見つかります．写真1はアンプ基板の部品面です．うら面に部品はなく，グラウンドのベタ·パターンだけです．基板サイズ33×25mmにRF入出力にそれぞれSMAメス·コネクタが付いた，こじんまりしたユニットです．写真2はシールド·ケースを取り除いた基板です．ICは1個だけ配置されていて，パッケージには“3M9009”と印字されています．インターネットで検索すると．TQP3M9009（Qorvo社，米国）がヒットします．Qorvoは2014年末にRF Micro Devices社とTriQuint社が対等合併して誕生した会社で，型名から旧TriQuint系の化合物半導体1Cです．TQP3M9009のデータ·シートによれば，ピン配置，パッケージ·サイズ，電源電圧は一致します．しかし，消費電流は実測75.5～85.7mA（三つのモジュールを測定）に対して，スペックはtypical 125 mA，max150mAです．消費電流の実測値はスペックより低すぎますが，TQP3M9009のスペックを踏まえながら，基板モジュールの評価に進みました．