車載ネットワークなどで広く用いられているCAN(Controller Area Network)は電子制御ユニットであるECU(Electronic Control Unit)間での接続において低コスト化や効率化を図るとともに誤り検出機能を有しているが,セキュリティ機能が搭載されておらずデータの改竄やなりすましに対する脆弱性が知られている.本研究ではセキュリティ対策としてペイロード暗号化とメッセージ認証コード(MAC),そして鍵更新機能をCAN通信の拡張規格であるCANFD通信で実装し,処理時間と消費リソースでの観点においてプロック暗号であるAESとSIMONで比較を行い,処理時間においてAESでは0.88ns,SIMONでは1.74ns消費リソースでの観点ではAESがマイコンの66%,SIMONでは39%という結果が得られた.これらから時間的制約があるCANFD通信において両者は実装可能であるが,組み込みソフトウェアの実装などを考えると消費リソースが小さいSIMONが有用であるという結論が得られた.
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