超微量天秤で分子を測る

摘要

生体内での情報伝達や物質生産は生体分子間の相互作用（分子認識）がもとになって成り立っている．これらDNA-DNA鎖間，DNA-RNA鎖間，タンパク質－タンパク質間，タンパク質－低分子基質間, 糖鎖－タンパク質間, DNA－タンパク質間，など生体分子間の相互作用を検出するには，これまでNMR，Massなどのスペクトル的方法，結晶のX線構造解析，ゲルシフトアッセイなどさまざまな方法が工夫されてきた．表1に示すように，特異的な結合の検出には，ポリマーゲル相での移動度の違いを検出するゲルシフトアッセイ法や，抗体に結合させた酵素反応を利用するELISA法が行われてきたが，結合の時間変化を追跡するには適していない．