もの作りが拓く近未来技術の胎動: 第10回 競争から“共創”への“協奏”たる変容必要性: 第10回 競争から“共創”への“協奏”たる変容必要性

摘要

とある日，私の子供が試験というものについて質問をしてきた。その内容を要約すると試験の意味や意義といったことが主軸であったが，その裏側には定期的な試験の準備への嫌気が見え隠れした。一般的には，中学になると中間/期末試験と約2カ月ごとに比較的大型の試験がある。その当時の私を思い起こすと，確かに試験に追われていた感覚があったし，試験勉強をせずに，ありのままの自分で試験に臨むという無謀なことを試みたこともあった。私にとっての試験の目的は高い順位を取ることだった。本来の試験の目的は自身の習熟度を理解するためのものであるべきだが，数値的表現や合否判定などを示されてしまうと，どうしてもそのボーダーラインというものを意識せざるを得ないのは人の性なのかも知れないと思う。