圧力を用いた長時間運転時のドライバの疲労推定

摘要

疲労，居眠り，過度の緊張などの運転者状態は，運転者の判断や行動に悪影響を与え，運転者の安全な運転を阻害するものと考えられる．この中で運転疲労はこれまで，長距離トラック運転手やタクシー運転手など職業運転手の問題として捉えられてきたが，近年，長距離長時間運転を余儀なくされる帰省ラッシュなど，疲労しても運転する状況が日常生活の中でも頻繁にみられ，一般運転者の問題にもなっている．一般運転者の運転中の疲労状態を推定し，疲労状態に適合した情報呈示や疲労緩和などの運転支援を受けることにより，運転時のリスクを低減できると考えられる．また，一般運転者の運転中の疲労状態を推定するためには，計測していることが運転者に意識されることなく，簡便で安価なセンサにより計測される必要がある．ここでは，運転中の疲労を簡便に計測する一手法として，運転者の運転姿勢の崩れ，座り直しなどの副次動作の変化を，シートに内蔵した座圧センサにより計測し，座庄変化から疲労を推定する手法を開発したので，概要を紹介する．