衝突安全と予防安全の協調：運転特性と交通安全の研究

摘要

自動車運転の安全を考える場合に重要なことは，運転免許との関係である．運転免許を受けようとする者は，所定の講習（技能教習及び学科教習）を受けることが義務づけられている（道路交通法）．運転免許試験には適性試験，技能試験，及び学科試験とが課され，適性試験では視力，聴力などが，また学科試験では自動車の運転に必要な知識が求められている（道路交通法施行規則）．わが国での新規自動車運転免許の取得者の約95％は指定自動車教習所においての教習を受けた人達であり，この指定自動車教習所での教育内容は，安全な交通社会の実現にとってきわめて重要である．教習所での教習課程カリキュラムは，最近通常の学科内容に加えて，危険予測や状況判断などの内容を教習の中心に据えた指導が導入されている．また，運転適性検査によって，それぞれの性格と運動能力と不安全な運転行動との関係を調査して，専門家による適切な指導を，初期の段階から実施し，安全な自動車道転者を育成することをめざしている．