地球温暖化対策の現状と今後の課題

摘要

1997年12月，気候変動枠組条約第3回締約国会議（COP3）において先進国の温室効果ガス排出量削減を約束する「京都議定書」が採択された。 同議定書で定められた日本の温室効果ガスの削減目標は，「2008年から2012年（第1約束期間）に基準年レベルから6％削減する」こととされている。 京都議定書が発効するための要件としては，55カ国以上の批准と排出削減義務がかかる国（附属書I国）全体のうち，京都議定書を批准した国の1990年における二酸化炭素の総排出量が，附属書l国の1990年の総排出量の55％以上に達することが条件となっている。 京都議定書は現在，117の国／地域により批准されているが，世界最大の温室効果ガス排出国であるアメリカが，京都議定書は米国経済に多大なる悪影響を与えるとの理由から不支持を明確化したこともあり，いまだ発効には至っていない。