ヒューマンインタフェース：実車走行評価に応用可能な生理計測·評価技術

摘要

快適で安全な車両を開発するための実車走行評価は，主観評価と客観評価がある．ドライバによる官能評価は前者であり，人間の感覚に基づいた評価手法で，経験と専門的な知識を要する場合が多い．そのため，心拍や脳波などの生理指標を用いて，客観的に定量化できる技術が要望されている．生理指標を用いた実験室での基礎研究やドライビングシミュレータによる研究は多いが，実車走行評価への適用事例はまだまだ少ない．この理由として，実車走行環境でのセンサの装着性やノイズ除去などの計測技術はもちろん，取得データの解析手法や個人差のある官能評価との相関度合いなど解決すべき問題が多いためと考えられる．本稿ではそのような状況ながら，実車走行評価に応用できそうな生理指標を紹介し，併せて実車走行評価に応用されている研究事例を紹介する．