第2章 SGも内蔵した手のひらサイズ簡易スペアナの実用性を検証する: “tinySA”の使い方と性能評価

摘要

手のひらサイズのNanoVNAは，3GHzや4.4GHzまで対応する新しいハードウェアが登場し，勢いはさらに増すばかりです．そのNanoVNAと同じサイズのスペクトラム·アナライザtinySAもインターネットで話題になっているようです．このtinySAを使用する機会がありましたので紹介したいと思います．ファームウェアのバージョンはtinySA_v1.1-59-ge430685にアップデートした状態です．写真1はtinySAを正面から見た外観です．見たところNanoVNA-Hの一部で使用されているABS樹脂製ケースを使用し，SMAコネクタ/スライド·スイッチ/液晶の位置，さらに独特のジョグ·スイッチまでNanoVNAと瓜二つです．メニュー操作は，ジョグ·スイッチまたはタッチ·パネルから行い，メニュー表示は液晶パネルの右側に表示され，これもNanoVNAと同じです．メニューは，周波数やグラフ·スケール，マーカなどスペクトラム·アナライザの基本機能はマニュアルがなくても使える感じです．一方，ハードウェアは主要部品にトランシーバIC Si4432（シリコン·ラボラトリーズ）を2個使用し，NanoVNAとは異なる回路構成です．RF部のブロック図については後で紹介します．