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Westfall-Young法を用いたエンリッチメント解析の感度改善と高速化

机译:Westfall-Young法を用いたエンリッチメント解析の感度改善と高速化

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摘要

ゲノム網羅的な遺伝子機能の解析が頻繁に行われるようになり,着目した遺伝子群に統計的に有意に関わる細胞機能を明らかにするエンリッチメント解析が重要になっている.ところが,この解析の結果,その遺伝子群に頻繁に見られる機能であるにも関わらず,有意に関連した機能として検出できないという直感に反した結果が得られることがしばしば起こり,問題となっている.本稿では,この原因の1つとして,多重検定補正で用いられるBonferroni補正が,機能間の独立性を仮定して偽陽性の生起確率を計算するため,機能解析では非常に保守的に補正する可能性を示した上で,Westfall-Young法で多重検定補正を行う手法を提案する.Westfall-Young法は,並べ替え検定を用いて確率分布を推定することで機能間の独立性を仮定せずに偽陽性の生起確率を計算でき,Bonferroni補正に比べて検出力が高い.一方で,分布の推定に膨大な計算を要するため,時間がかかることが問題となる.この問題を解決するため,本研究では,各検定がp値の下限を有することを示し,下限を利用した探索空間の枝刈りを導入することで,高速なWestfall-Young法を提案する.マイクロアレイで観測した多様なヒト組織の発現プロファイルをクラスタリングした結果に対し,各クラスタに有意に関連する遺伝子オントロジーを求めたところ,有意水準に変更が無いにも関わらず,提案法の補正後の有意水準はBonferroni補正に比べ,5倍以上大きくなった.また,枝刈り導入前のWestfall-Young法に比べ1,000倍以上の高速化を達成した.

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