国内初，品質検査で「音」を聴き分けるAI異音検査システム

摘要

世界中のお客様に静粛な車内空間をお届けしたい！そんな思いを叶えるために，トヨタ自動車九州では路面の凹凸に起因する「カタカタ」といった異音の有無をラフロードテスタで検査している（図1）．これまでは検査員が突起をしつらえたラフロードテスタ上で車のアクセルを踏み，ステアリングを操作して感覚で合否判定していた．しかしその検査法では，①安全面における全身振動リスク，②感覚頼りによるばらつき，③車両を操作しながら内装品保護用ビニールの正常な振動音と異音を聴き分ける難しさ，④高齢化に伴う聴力低下による検出力の差，という課題があった．このため，ラフロードテスタをモータで自動駆動させたうえで，人の耳に代わるマイクを車両にセットし，無人でAIに自動判定させる車内異音検査技術の開発を試みた．