がん薬物療法専門医のための模擬テスト150-解答と解説-

摘要

問題1解答：(B) (C)。リツキシマブがもっぱら補体依存性細胞障害 (CDC)により抗腫瘍効果を努揮するのに対し， オビヌッズマブはFc領域の糖鎖改変により抗体 依存性細胞障害作用を高めた新規抗CD20モノ クローナル抗体である.オビヌッズマブは現在本 邦において初発および再発?難治性の濾胞性リ ンパ腫の治療に用いられている.GADOLIN試 験はリッキシマブ抵抗例の再発難治性濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第III相臨床試験で，オビヌッズマブ併用ベンダムスチン+ 2年間 のオビヌッズマブ維持療法（GB）がべンダムスチ ン単剤に対して，主要評価項目である無増悪生 存期間（PFS）を有意に改善したことが示されてい る.さらにGADOLIN試験のフォローアップ解 祈から，この有効性は全生存率の改善にもつなが ること力示されている.またGALLIUM試験は 未治療濾胞性リンパ腫を対象にオビヌッズマブ併 用化学療法（CHOP, COP, Bのいずれか）+2年 間のオビヌッズマブ維持療法（G-chemo）とリッ キシマブ併用化学療法(同）+ 2年間のリツキシマ ブ維持療法(R-chemo)とを比較したとした国際 共同第III相臨床試験で，G-chemoはR-chemoに 対して有意に主要評価項目であるPFSを改善すること力示されている.ただし初回治療におけるG-chemoのR-chemoに対するOSに関しての優 位性は現時点で示されていない.また，本試験 においてG-chemoはR-chemoよりも高頻度でィ ンフュージョンリアクションやgrade3?5の有害 事象がみられており，特にGB療法ではリンパ球 減少が長期にわたるため維持療法期や治療終了 後の日和見感染症に注意する必要がある.