植物の枝分かれ調節ホルモン生合成における鍵酵素の発見

摘要

植物の成長や発達は、光や温度といった外的な環境要因だけではなく、植物内因性の生理活性物質「植物ホルモン」によって精巧に制御されている。これまで、オーキシンやジベレリンなどといつた低分子化合物の植物ホルモンが広く認知されてきたが、近年は、ぺプチド型ホルモンや、花成ホルモン(FTタンパク質)のように比較的分子量が大きなホルモンの存在とそれらの作用機構が明らかにされつつある。本稿では、2008年に低分子化合物の植物ホルモンに仲間入りをした「ストリゴラクトン(SL)」の生合成経路において、SLが植物ホルモンとして働くために重要なステツプが明らかになったので紹介する。