7月の酷暑に続き、8月は豪雨による災害が各地で報じられるなど、地球温暖化への自然からの警告が鳴らされ続けた夏が過ぎ、暦の上では早や9月となりました。その中、成長と分配を実現する新資本主義を唱える岸田政権の第2次改造内閣が動き出しました。この新しい資本主義実行計画には"バイオのものづくり"が盛り込まれ、成長戦略としての取組みが始められています。バイオのものづくりとは、バイオ技術で経済成長と境配慮を両立させ持続可能な発展を図るものです。環境負荷軽減のためのバイオプラスチックの技術開発が進められ、地球温暖化対策に必須のCO_2低減対策においては、微生物の高度利活用による究極の物質変換などの検討も開始されました。本号においても、植物や微生物の多様で有益な機能を解説した記事が多く掲載されております。また、バイオエコノミー社会の実現を揭げ、バイオ戦略の構築の中心となった日本バイオ産業人会議(JABEX)の特集記事では、バイオのものづくりの重要性を捉し続けてきた歴史が語られています。また、世界情勢が不安定さを增す中、食糧資源の大半を輸入に頼る我が国にとって食糧の安全保障も重要な課題であり、ここでもバイオによって新しい食を創出していくことが期待されています。本号の産業と行政にあるFood Bio Plus研究会の紹介記事では、「ヒトと社会と地球の健康」をコンセプトに揭げ、持続可能な未来への食に向けたビジョンを紹介しています。地球にも優しいバイオの産業技術で経済成長を促していきたいものです。
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