特集「Beyond5G実現に向けた要素技術の開発」企画趣旨

摘要

2020年代に人り新しい通信規格である5G（第5世代通信システム）の商用サービスが開始された。この新たな基盤の上で，Artificial Intelligence （AI）·Internet of Things（IoT）·ビッグデータの活用が加速し，社会全体のデジタル化が進められていくことが期待され，サイバー·フィジカル空間の一体化（Cyber Physical Systems, CPS）によるデータ主導社会が実現すると考えられている。しかしながらCPSの進展の加速により,2030年代にはフィジカル空間とサイバー空間との間での情報のやりとりがより飛躍的に増大することがICT分野において見込まれる。よりシームレスなCPSの実現によるデータ主導社会の実現により，ビッグデータ·AIを用いた新たな価値の創造，形式知化，将来予測，全体最適技術が実社会で最大限活用できると予想されている。「持続可能な開発目標」（SDGs）の理念に基づく「Society5.0」を実現するためには，近年普及しつつある5Gよりも高度な通信インフラとして，次世代の規格「Beyond 5G/6G」の開発が必要になると考えられている（Fig.1）。