EXCITING COMPONENTS：ダイヤモンドオーディオ/DIAMOND AUDIO S600aHEX

摘要

名実ともにダイヤモンドオーディオを代表する、HEXシリーズのスピーカーシステムがマイナーチェンジされた。 今回の変更は主に、入力ターミナルとボイスコイルとを結ぶりード線がダンパー編み込み式になったという実質的なもので、振動板の材質やバスケウトのデザインなどには手が加えられていないが、同時に登場したジュニア版のM6シリーズで得られたノウハウが随所に盛り込まれているはずである。 ダイヤモンドオーディオは1995年に設立された若い会社で、某大手メーカーからトップクラスのエンジニアを集めて開発した革新的スピーカー......というのが謳い文句であった。 デビュー当時はHEXシリーズ1本での展開だったから、とにかく高価なスピーカーという印象が強かったが、同社のスピーオーはHi-Fi高級機としての基本能力は着実に押さえながら、エンターテインメント的な音の演出を決して忘れていないことが他社に見られない特徴だった。もちろんその傾向は現在まで受け継がれており、今も若いリスナーにとって最も入門しやすい高級スピーカーのひとつであることに変わりはない。ストイックなHi-Fiマニアから見れば、そのあたりが妙に気になったりもするわけだが、筆者などは「今度はどんな風に楽しませてくれるのだろう」と聴く前から期待感が高まるブランドである。