難治性不整脈に対する薬物療法

摘要

成人先天性心疾患の不整脈発生に関与する要因を解説する.薬物療法は，頻拍の停止や，非薬物療法の補完的治療として位置付けられる.近年，先天性心疾患(congenital heart disease; CHD)の診断，手術，術後管理の目覚ましい進歩 により，CHD全体の95%以上が救命されるよう になり，90%以上が成人期に達するようになつた. 2019年は出生数が88万6千人で，CHDの手術件 数は8,859件であり，出生数の1%に達する.CHD の患者数は1997年には20歳未満と20歳以上が ほぼ同数となり，現在は50万人以上が成人に達し ており，毎年4~5%増加すると予想されている.