成人片側性鼠径へルニアに対するtransabdominal preperitoneal repair (TAPP)法におけるセルフグリップメッシュとスティブル法の前向き比較硏究

摘要

メッシュ固定用のスティプルが鼠径部急性期疼痛に与える影響を明らかにする目的で，セルフグリップメッシュを用いたtransabdominal preperitoneal repair (TAPP)法（以下，SG-TAPP 法）とスティプルによるメッシュ固定を行ったTAPP法（以下，ST-TAPP法）の短期治療成績を前 向き比較研究した.手術時間，出血量，術後在院日数，術後1,14病日の創部痛と患側鼠径部痛，術 後14病日の満足度，鎮痛剤追加使用回数で，両群間に有意差を認めなかった.スティプルの有無は 術後鼠径部痛に影響を及ぼさなかった.SG-TAPP法は，従来のST-TAPP法と同等の安全性，有用 性を認めた.