ICU看護師の職業性ストレスに対する教育プログラムの効果評価に関する無作為化比較対照試験

摘要

本論文は，集中治療室（ICU)看護師に職業性ストレスに対処する能力を養うための教育プログラムを実施し，その有効性を無作為化比較対照試験（RCT: Randomized Controlled Trial)により評価した研究である。本論文の知見はICU看護師への現任教育に関するものであるが，あらゆる看護分野に勤務する看護師への教育の参考になる。RCTの研究方法や結果の示し方がわかリやすく説明され，また，ポストホック解析（post hoc analysis)の方法と有用性について学ぶことができる。〈リサーチ?クエスチョン〉講義，口ールプレイ，デブリーフイングを含むマルチモーダルプログラムはICU看護師の職業性ストレスを軽減できるか？〈データからわかること〉フランスの丨CU看護師198人へのRCTでは，6か月目の職業性ストレス（仕事の要求と意思決定の自由度を評価する質問紙によリ評価）については，5日間のマルチモーダルプログラムの介入を受けたグループ（13%)は介入を受けていないグループ（67%）に比べて，有意に低かった。〈データの意味〉マルチモーダルプログラムは，ICU看護師の職業性ストレスを軽減する効果があるかも しれない。