卵含有加工食品中のアレルゲン，オボムコイド定量－モノクローナル抗体に対するオボムコイド量と患者血清に対するアレルゲン量の比較－

摘要

近年食物アレルギーは増加の一途をたどっており，早急な対策が必要とされ，ている。 食物アレルギーは食物として摂食した抗原に対して過剰な免疫反応が引き起す疾患で，代表的なアレルゲン食品として卵，牛乳，小麦などがある。特に，卵は乳幼児にとって，最もアレルギーを起こしやすい食品としてあげられ，ている1)-3）。 卵アレルギーの主要な原因物質は，卵白中のオポムコイド（以下OMと略す）であることは，多くの報告からも証明され，ている4）。 また，我々も乳幼児における卵アレルギー患者血清による主要な卵白タンパク質に対する免疫反応からOMが主なアレルゲンタンパク質であることを明らかにしが）。 OMは，分子量28，000で3つのドメイン構造からなる糖タンパク質である。 その特性は，熱や酵素に対して耐性，で，ドメイン内に3か所のジスルフィド結合をもった強固な構造を保持し，ている6)-8）。