ィムノクロマト法による全血および血漿中の心筋トロポニンI (cTnI)迅速定量試薬「ラピッドチップcTnI」の基礎的検討

摘要

要旨心筋トロポニンI (cTnI)は.心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群の診断マーカーとして広く 用いられている。今回われわれは，積水メディカル株式会社より新たに開発されたィムノクロマト 法を原理としたcTnI定量試薬「ラピッドチップcTnI」の基礎的検討を行った。化学発光免疫測 定法（CLIA法）とは相関係数r = 0.964,回帰式y = 1.04x + 14.8 (n = 58),化学発光酵素免疫測 定法（CLEIA法）とはr = 0.964,回帰式y = 1.00x +15.1 (n = 60)と良好な相関性を示した。一 方.酵素免疫測定法（EIA法）との相関性はr = 0.800,回帰式y = 0.73x + 63.6(n = 64)であつ た。また本法による血漿，全血測定値の比較では，r = 0.992,回帰式y = 1.02x + 5.5(n = 58)で あった。本キットは測定時間15分かつ操作性も簡便な定量ィムノクロマト試薬であるため，検査 室でのルーチン検査や緊急検査に有用と考える。