手術治療-腹腔鏡下手術（TEP法）

摘要

鼠径部ヘルニア修復術は2019年の厚生労働 省の社会医療診療行為別統計によれば1年間 にほ万件以上施行されており，日本で一番多 い手術である。近年，腹腔鏡下鼠径ヘルニア 修復術(laparoscopic inguinal hernia repair: LIHR)は急速に普及し，日本内視鏡外科学会 によるアンケート調査では2019年には54.4% を占めるようになったが，TEP法(totally extra-peritoneal approach)は20.5%であり， 全てを腹膜外でアプローチするため（図1），手 術に必要な解剖学的知識や特有の手術手技への 理解が進んでいないことが普及を阻んでいる原 因として考えられる。