腎腺癌

摘要

正常な腎臓の細胞診では多くの細胞が採取されることはま れであり，通常は少数の尿細管上皮細胞(図1)とまれに糸球造（図2)が認められるのみである。したがって，低倍率 視野で多数の細胞が確認されたら，まずは異常と考えて悪性 腫瘍の可能性を考慮しながら鏡検を進めていくべきである。 また背景には豊富な血流量を反映するように大量の末梢血成 分が存在することが一般的である。腎臓で見られる悪性腫瘍 ではリンパ腫を含め腎組織以外に由来するものが多くを占め るが,腎組織由来の悪性腫瘍としては犬、猫ともに上皮癌，と くに腎腺癌がもつとも一般的である（その他には移行上皮癌 や腎盂の扁平上皮癌が見られることがある）1气