光線療法の温故知新 光線療法のとるべき道

摘要

光線療法は様々な疾患に用いられているが，対象疾患に応じて最適な照射方法 (光源，照射機器，照射レジメン）は異なる.各疾患の特性と各光源や照射機器の特性を 知って，その疾患のその病態に応じた照射方法を選ぶ必要がある.光線療法において期待 される効果は紫外線による免疫抑制効果，アポ卜一シス誘導効果，白斑に対する紫外線の メラニン合成やメラノサイ卜の遊走の促進など多様な作用点があり，タ一ゲッ卜が異なる とその至適線量が異なり得るのは当然である.光線は部位によって当たりにくい部位が出 てくるので，光線としての特性も勘案しながら，全身治療で効果が乏しい部位などの追加 照射を組み合わせることで，効果を高めることが可能である.また，同じ疾患でも初期治 療の時期と維持期とでは照射方法も異なる.今後の光線療法の目指す方向性としては，光 線療法だけでその疾患を治すというよりも，他の治療との組み合わせで，それぞれの治療 を補旁して，安全で良好な結果を得ることを期待するというのも1つの目指す方向性かと思う.