回答 2

摘要

本症例での白内障術後の眼圧上昇については，残留皮質の影響だろうと思います.皮質が残存した理由として，（落屑症候群によくある）散瞳不良またZinn小带脆弱性の影響があったのかもしれません.初診時には白内障手術から2週間たっており，眼内レンズの後ろにある残存皮質を取るには，やはり硝子体側からのアブローチになると思います.硝子体術後2日目には眼圧も下降していますが，眼内レンズ振盪があり，前眼部写真でも鼻側の前囊切開縁が瞳孔領に見えています.眼圧下降に伴いZinn小帯の脆弱性が顕在化したものと考えます.1カ月後には眼内レンズ亜脱臼が進行し，摘出?縫着手術となりました.ここでの強角膜切開はどのようにされたのでしょうか。私であれば，3mm程度の切開創で行います.もちろん最初に入っていた眼内レンズが眼内で切断できるものであることが前提となります.