編集にあたって

摘要

OncoGuide~? NCCオンコパネルとFoundatio-nOne? CDxによる遺伝子パネル検査が2019年6月に保険収載され，日本でがんゲノム検査が保険診療として開始された.対象は標準治療が終了した固形がん患者であり，肺がん患者の初回治療には使用できない.一方で，肺がん患者に対してはEGFR, ALK, ROS1, BRAFのコンパニオン診断としてオンコマイン~? Dx Target TestマルチCDxシステムが同時に保険収載となった.後者は，EGFR, ALK, ROS1，BRAFを含む46遺伝子が解析されるが，コンパニオン診断としては4遺伝子の結果のみが返却される.担当医からの申し出があった場合には参考情報として46遺伝子の解析結果が返却されるが，コンパニオン診断としての使用は認められていない.研究としては，LC-SCRUMによる遺伝子解析が日本全国の施設で実施されており，希少ドライバー遺伝子変異のスクリーニングが行われている.解決しなければならない問題点も多いものの患者にとって有用な遺伝子変異の情報が得られるようになったことも事実である.