第4次「対糖尿病戦略5カ年計画」の概略?1,000万通りの個別化医療提供に向けた多面的対策の必要性?

摘要

日本糖尿病学会では,2020年,第4次「対糖尿病戦略5カ年計画」（綿田裕孝委員長）を発表した.本計画は,先の5カ年における進捗の検証をおこない,いまだ解決されていない課題（例:未受診?治療中断の糖尿病患者さんの存在,糖尿病に対する差別や偏見の存在など）や新たな問題（例:フレイル?サルコペニア,認知症の発症?重症化予防，新型コロナウィルス感染症の感染拡大など）の解決に向け，日本糖尿病学会が学術団体として次の5力年に展開する事業計画を公にするものであり,行政や国内外の学術団体,患者団体に対して連携や支援を依頼するためにも重要とされる.本稿では,第4次「対糖尿病戦略5カ年計画」について概説するとともに，その実現に向けわれわれが着手すべき具 的な点について議論したい.