がん治療における小児への適応症の問題

摘要

医薬品が，より適切に使用されるためには，① 標準的な用法?用量，使用上の注意の内容の整 備など重要な情報の検討，②企業による体系的 な安全性情報の収集?分析，③副作用被害救済 制度の救済対象などの点から，基本的には薬事 承認?保険適用を目指すベきである.しかし，小児がんはその希少性から，販売後の利益が見込めない等の理由で企業が開発を敬遠する傾向にあり，さらに欧米ではPaediatric investigation plan (PIP)やPediatric Study Plan (PSP)等で，小児薬 剤開発推進が法制化され，ァカデミァ?患者団体? 製薬企業?規制当局が協働し，より戦略的な薬 剤開発体制が構築されているのに対して，日本は 十分な開発体制が整備されておらず，いまだ大き なドラッグ?ラグが存在する.