フランスの映画振興策と「FNCF」（La Federation Nationale des Cinemas Francais―フランス映画館連盟）の活動について：日仏映画興行システムの比較研究

摘要

フランス・パリで，実際に映画館に入ると，その施設や環境が，良く整備されていることに気付く。 映画を見る人々の構成が，明らかに日本とは違う。 興行時間を例にとるなら，仕事を終えてからの層を対象とした20時，22時の回があり，多くの観客を集めている。 それらの観客はカップルが多く，大人が映画を見る習慣がずっと維持されている。 日本の場合，昼の上映では圧倒的に女性が多いが，フランスの昼は若者とシルバー層の比率が高い。そして，夜となると，入りの良さ，多くの男性入場者と，興行形態に日仏の違いが明瞭に見て取れる。