末梢血幹細胞採取の助っ人，Plerixafor

摘要

わが国では，年間1,800件程度の自家移植が 行われている.自家移植は，1990年代に確立し た治療法で，多発性骨髄腫や悪性リンパ腫に対 し大量化学療法後の造血幹細胞再構築を目的と して末梢血幹細胞を用いて行われることがほと んどである.末梢血幹細胞を動員する方法とし ては，化学療法後の造血回復期に顆粒球コロ 二一刺激因子(G-CSF)製剤〔フィルグラスチ ム（グラン~R)ゃレノグラスチム（ノィトロジ ン~R)〕を併用する方法，およびG - CSF単独で 採取する方法の2種類がある.しかし，これら の方法では十分量の幹細胞が動員できない「動 員不良患者(poor mobilizer)」が少なからず存 在することが，幹細胞採取の問題点であった.