幼少期の結膜炎が要因と考えられた副涙腺囊胞

摘要

证例は72歳，女性で，眼疾患の既往として両眼の 網膜分枝静脈閉塞症があり.前々医で抗VEGF 薬の硝子体注射，およびトリアムシノロンァセトニドの Tenon囊下注射を施行されていた.また，幼少期に強 い結膜炎の既往があった.幼少の頃から右下眼瞼結膜円 蓋部に囊胞を認めていたが，京都府立医科大学附属病院 (以下，当院）眼科受診の約1力月前より急速な増大を 認めたため，切除を希望して前医を受診した.しかし， 同部位に險球癒着も認められため，当院に紹介となつ た.当院初診時，右下眼瞼結膜囊円蓋部に瘢痕を伴う乳 白色?黄色の腫瘤様病変（図1，2)を認めた.細隙灯顕 微鏡検査による前眼部所見に加えて，前眼部光干渉断層 計(optical coherence tomography: OCT)検査で結膜 下に囊胞病変が確認され，内容物が低反射を示していた ことから副涙腺囊胞を疑い，後日手術にて摘出を行う方 針となった.術中，結膜と囊胞壁の間を剝離している最 中に，槳液性の内容物，続いて乳白色の内容物が漏出し た.しかし，その後は囊胞の外壁を容易に摘出できた.