需給逼迫惑の高まりが続き高値圏で推移する原油相場

摘要

2022年5月20日（金)、ニューヨーク商品先物取引所（NYMEX)のWTI原油先物（6月限）の価格は、前日より1.02ドル高い$113.23/BBLで取引を終えた。同じく 20日、国際原油指標であるロンドンのインターコンチネンタル·エクスチェンジ（ICE)のブレント原油先物（7月限）は、前日から0.51ドル高の$112.55/BBLで精算した。週平均ベースの価格は前週比で、WTI価格が7.33ドル、プレントが4.99ドルとそれぞれ大きく上昇。WTI価格がブレント価格を上回った。原油相場は、ウクライナ情勢が悪化する中、供給不安から3月後半に急騰、WTIが114ドル台の記録的な高値を付けた。その後、国際通貨基金(IMF)が、今年の世界成長率見通し下方修正したことや対ユーロでのドル高の進行などから原油は下押しされた。だが、欧州連合(EU)は5月、ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの追加制裁案を公表し、石油の輸入を年内に停止するほか、より多くのロシアの銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除することも盛り込んだ。また、OPECブラスは5月の会合で、6月の生産について43万B/D程の小幅な引き上げで合意し、大幅な増産は見送った。