ロシアへの経済制裁で損失大きい開発投資 撤退迷う北極圏の原油·天然ガス·LNG開発

摘要

ロシアのプーチン大統領によるウクライナへの軍事侵攻が開始された2月24日から1カ月が経過するが混迷が深まっている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国など欧米各国の首脳ら政治家に向けた演説を行っており、日本の国会でも3月23日にオンラインで演説する。ロシアの侵攻はウクラナの首都キエフの陥落に拍車を掛ける勢いだが、ウクライナ軍も欧米などからの武器供与などで応戦しており、ロシア軍の侵攻を阻んでいる。もし、首都·キエフが陥落すれば、ロシアによる傀偏政権が樹立される可能性が高い。そうなればゼレンスキー政権はウクライナの西部か場合によってはポーランドに退避し、亡命政権を樹立することになる。そのため、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍の攻撃によって物理的にも政治的にも“分断国家”にさせないことを最優先課題としており、国民総動員でロシアへの徹底抗戦を続けている。こうした戦線状况に、プーチン大統領は、シリアからの傭兵や化学兵器使用などを発言しており、G7、欧米など国際社会の非難が高まり、ロシアへの経済制裁などを強め、ロシアを追い込んでいる。G7とNATOの首脳会議が3月24日は、ベルギーのプリュッセルで開かれ、ロシアへの制裁を更に高めていくことが話し合われる。日本も岸田総理がG7首脳会議に出席するが、日本の国会でもロシアへの経済制裁や外交に関して、答弁され、難しい点などについても議論されている。今号では、前号までと関連するが、日本のロシアへの経済制裁と外交関係の見直しなどを巡るエネルギー分野のなかで、日本も参画を高めていたロシア北極圏の原油·天然ガス·LNG開発の経緯と動向を交えてお伝えする。