緊迫するワシントンD.C.-第二次オイルショック下のーコマ-

摘要

石油鉱業連盟が昨年11月に創立60周年を迎えられたことに心よりお祝いを申し上げる。この60年は，難局に直面したその折々に，諸先輩がわが国エネルギーの安定供給確保にそれぞれの立場で最善を尽くした波乱万丈の歴史だった。本稿では，私が米国で経験した第二次石油危機下の一場面を紹介し，お祝いの言葉に代えさせて頂きたいと思う。1979年1月にイラン革命が発生し，イランの石油生産の停止が引き金となって第二次石油ショックが発生した。その結果石油価格は高騰し，年央から秋口にかけて狂乱に近い様相を呈した。こうした中，同年11月4日にテヘランにおいて米国大使館員人質事件が勃発し，米国とイランとの関係は一触即発の様相となった。