石油備蓄政策再険討の行方安全保障の費用は誰が負担するのか

摘要

石油備蓄政策のあり方について再検討が始まった。 総合資源エネルギー詣査会石油分科会石油部会に新たに設置された石油備蓄専門小委員会が経済産業大臣の諮問を受けて3月22日に初会合を開き（前号参照）、夏頃を目途にとりまとめを行う。 現行備蓄政策は1999年の石油審議会答申に基づき展開されているものの、原油高止まりや需給タイト化懸念など石油情勢が当時とはがらりと変わった。国内では石油は2010年以降もエネルギーの大宗であり続けるのが確実視され、エネルギーセキュリティに関する国民的関心が高まっている。 石油備蓄確保法では施行3年後には民間備蓄登録制度を見直さなければならない。 想定される再検討の主要論点は、中長期的な備蓄水準、国備と民備のあり方、緊急時の適切な国備原油の放出方法、輸入業者の登録制度やアジア各国への備蓄協力のあり方をどうするかなど。 石油備蓄は自主開発とともに、国のエネルギー安全保障の根幹だから、これからの石油備蓄政策再検討の行方は無視できない。