第104回 判例による自治体コンプライアンス(38) 一不作為形態による不法投棄罪の刑事裁判例一 阿部鋼といっしょに学ふ 廃棄物処理法

摘要

今号では、「判例による自治体コ ンプライアンス」の第38弾として、 廃棄物処理法下における自治体の廃 棄物行政の分野における適法性確保 の参考になる判例を紹介する。事案 の概要は次のとおりである。 第一審山ロ地裁萩支部の認定によ れば、甲県乙市のA湾に面する造船 所を経営していた被告人が、廃業し て造船所施設を解体するに当たり、 平成27年1月頃、造船所跡地東側 の海域(本件海域)に残存していた 施設関連物(廃棄物)であるコンク リート塊(枕木51本及び方塊13個) 合計約71t (本件コンクリート塊) を放置してみだりに捨てた。