肉食動物における非免疫学的食物不耐性および食物不耐性に関連した，皮膚以外に生じる徴候

摘要

犬および猫における食物不耐性は，皮膚症状を伴うことが非常に多く，免疫学的反応が大部分の原因で あると考えられている。しかし，非免疫学的機序および皮膚以外に現れる症状の中にも，食物と関連して いるものが含まれる。本稿では，こうした症状やその機序について解説する。食物有害反応（AFR)は，免疫学的および非免疫学的機 序によつて引き起こされる（表1)。興味深いことに，同じ 食品力s免疫学的あるいは非免疫学的反応のいずれの原因にも なりうる。たとえば牛乳摂取による下痢では，ラクタ一ゼ欠 損症（非免疫学的）による可能性と乳タンパクのIgE介在性 および/またはIgE非介在性過敏症による可能性がある。さ らに，同一の臨床徴候が非免疫学的または免疫学的反応によ つて引き起こされることがある。いわゆるアナフィラキシー 様反応の例は，アナフィラキシー反応と全く同様の臨床徴候 を呈するカ气これはヒスタミンを含有する食物によって引き 起こされるものであり，肥満細胞によるIgEを介するヒスタ ミン遊離によって引き起こされるものではない。