PC橋の変遷と施工技術: 時代の経過とその課題，問題

摘要

私の範囲はPC橋の架設技術について述べることになっていたが，全体を知っていただくためにRC橋まで遡ったところから始めることにする． 橋を木や石で追っていた古い時代は別として，明治時代になってから欧米の影響もあり，鉄やコンクリートの材料を用いて橋が造られるようになった．そして図-1に示したように，最初のRC桁橋（若狭橋・兵庫県）が造られたのは，明治36年（1903）である，その後，約40年を経て同形式の橋のスパンは約41mになった．がそれ以後は足踏み状態にある．一方，RCアーチ橋もほぼ同時期から造り始められたが（大岩橋・京都府），こちらのスパンは約40年後に70mとなった．その後同形式の橋は中断していたが約25年後に再開され，その時のスパンは100m（新山清路橋・長野県）であった．さらにその約10年後，つまりRCアーチ形式の橋を造り始めてから75年後のスパンは204m（宇佐川橋）となった．