北米プリント配線板需給動向2019年5月

摘要

米国金融市場は、依然として好調を維持しているかのようで、株式市場は高値を更新し続けているが、米中間の貿易摩擦の問題が、次第に実経済に影響をしつつあり、先行きの不透明感を増す形になっている。エレクトロニクス製造業においては、昨年後半に大きくブレーキがかかってきている。この半年ほど、次第に水準を下げてきている米国製造業のPMIは、5月になっても下がり続け、この2年間での最低を記録している。昨年末から急激に進んだ北米半導体製品の出荷の低迷は、6ヶ月連続となり、減少率はいくらか緩やかになってきているものの、未だに下がり続けている。出荷額の連続減少はすでに1年半となっており、この3年間の最低記録を更新している。半導体製造装置の出荷も弱含みの状態が続いており、半導体メーカーが新規の設備投資に消極的になっていることがうかがえる。この半年ほど横ばい状態が続いていた北米のEMS産業の出荷額は、月に引き続き減少となっており、この3年間での最低を記録している。米国が得意とする大型コンピュー夕と産業用エレクトロニクスの受注額も、半年以上にわたって横ばい状態が続いていたが、レベルはジリジリと下がってきており、この2年間での最低を記録している。