日本プリント配線板生産実績2021年2月

摘要

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、日本の非製造業は甚大な打撃を受けているが、エレクトロニクスを含む製造業は、少なくとも昨年下半期から堅実な回復を続けているように見える。2月における日本のプリント配線板産業の総出荷額は457.0億円で、前月比7.9％の増加である。前年同月比では、16.0％の増加である。出荷数量は95.4万m~2で、前月比6.0％の増加である。しかし、前年同月比では2.7％のマイナス成長となっている。すなわち、出荷額と出荷数量とのあいだには、20％近い乖離があり、日本のプリント配線板業界に質的な変化が生じていることをうかがわせる。品種構成としては、製品単価の高いビルドアップ配線板のような製品の比率が高くなつており、メーカーの採算を改善するのに寄与している。品種による違いは小さくないが、業界を牽引している品種は多くはなぐリジッドのビルドアップ多層配線板とリジッド系のモジユール基板が中心になっている。2月におけるビルドアップ多層配線板の出荷額は115.8億円で、前年同月比で24.2％の増加である。数量では、10.4％の増加である。10層以上の多層配線板の出荷額も増えているが、絶対額ではそれほど大きなものではない。これらの多層配線板の主な用途は，国内メーカーのスマートフォンとノートブックPCやタブレットPCであり、リモートワークの普及により市場は急拡大しており、高密度プリント配線板の需要も大きく伸びている。この市場は当分の間、堅調に推移するものと考えられる。