限局性前立腺がんの 初期治療としてのbrachytherapy

摘要

Brachytherapyは組織内照射のことであり,放射線源と照射目標が近接し,短い距離にあるため英語ではそのようによばれている.Brachyとは短い?短小という意味であり,brachyphalangia （短指症）などの言葉に使われている.Brachytherapy は日本語では小線源療法と訳されており,小さな放射線を出す粒子を治療する臓器内に挿入して行う治療である. 前立腺がんの小線源療法にはイリジウム192を一時的に体内に挿入して照射を行う高線量率 （high dose rate ； HDR）療法とヨウ素125やパラジウム103を密封した小さなチタン製のカプセル（シード線源）を永久的に前立腺内に留置する低線量率（low dose rate ； LDR）療法があるが，ここでは国内で多く実施されているヨウ素125を用いた密封小線源永久挿入療法（シード治療）に関して主に著述することにする.海外ではパラジウ ムやセシウムの線源が使用されることもあるが，国内で使用可能な線源はヨウ素125だけとなっている.