限局性前立腺がんの初期 治療としての強度変調 放射線治療

摘要

強度変調放射線治療とは限局性前立腺がんの標準治療の一つとして外部照射(external body radiation therapy ； EBRT)が行われている.EBRTに用いられる典型的な汎用型の直線加速器の構造を図1-Aに示す.体内の病変の形に合わせたビームを複数の方向から照射する,三次元原体照射(3 dimensional conformal radiation therapy ； 3D CRT)が一般的に行われてきたが,近年では特に強度変調 放射線治療(intensity-modulated radiation therapy ；IMRT)や強度変調回転照射(volumetric-modulated radiation therapy ； VMAT)での治療が一般的となってきた.IMRTでは3DCRTのように複数の方向から放射線を照射するが,それぞれのビームの中で強度を変化させることにより，標的の形状に合わせて,かつ近傍のリスク臓器を避けるように照射することが可能となった (図1-B). VMATは,ガントリーを回転させ連続的にIMRTのビームを照射することで,IMRTと同等の線量分布をより短時間で照射することが できる技術である.