凍結治療の限局性前立腺がんの初期治療としてのfocal therapy への応用

摘要

年間の新規罹患者がおよそ10万人にも及ぶ前立腺がんで,近年特にlow riskからintermediate riskの限局性前立腺がん症例が多く診断されるようになってきた.これら限局性前立腺がんに対しては,現在active surveillanceもしくは前立腺臓器全体に対する根治的治療（前立腺全摘除術もしくは放射線治療）が標準治療とされている. しかし前立腺全摘除術は術後の尿失禁，性機能障害などの生活の質（quality of life ； QOL）低下のリスクを有しており,放射線治療は放射線性膀胱炎による血尿?頻尿や,放射線性直腸炎による血便?下痢などのリスクがあるなど，前立腺臓器全体に対する治療は合併症によるQOL低下のリスクが高い（図1）. Active surveillanceは 主にlow riskの限局性前立腺がんに対し推奨され広く行われているが,intermediate riskに対してはoncological outcomeが手術に比べて劣ると の報告もあり,およそその半数は数年で根治治療への移行を要することは避けられない.