ロボット支援下仙骨膣固定術の治療経験

摘要

女性骨盤底疾患は腹圧性尿失禁?骨盤臓器脱?便失禁など骨盤底筋の脆弱化に伴う疾患であり加齢とともに増加する.骨盤臓器脱症状の生涯罹患率は3%と幸艮告されており，米国では年間20万人が骨盤臓器脱に対する手術治療を受けており，わが国でも2018年度17,400件の手術報告がなされている.骨盤臓器脱は解剖学的異常と排尿?蓄尿症状?排便障害?性機能障害など生理学的異常を伴い，患者のQOLに影響を及ぼす疾患である.ゆえに骨盤臓器脱の治療は泌尿生殖機能の解剖学的生理学的に修復することが求められる.ロボット補助下仙骨膣固定術(robotic assisted laparoscopic sarcocolpopexy以下RASC)は2020年4月から本邦でも保険収載され，従来行われている腹腔鏡下仙骨膣固定術(laparoscopic sacrocolpopexy以下LSC)と同様今後手術件数の増加が期待できる術式である.