弾性波速度比を用いたRC床版の劣化度診断

摘要

橋梁のRC床版の劣化度診断は,昭和40年代から今に至るまで,床版の下から見た面積当たりのひび割れ密度を調べてランク付けし,補強実施の判断指標としてきた.最近は調査機器の進歩で床版の鉛直たわみの振動数や振幅を測定することで劣化を判断する方法も実施されている.この方法も劣化度との相関が難しい.そこで,物性を直接把握するために弾性波を用いることを,まだ開発中ではあるが提案する.弾性波を用いることは目新しいことではなく岩盤の物理探査や土質を調べるためのPS検層,コンクリート強度を調べるためにも使われている.弾性波としては,地震の震源地キャッチと同様のP波,S波が用いられるのが一般的である.