日本の民間薬 その53-枇杷葉

摘要

バラ科（Rosaceae)の常緑小高木ビヮ（枇杷： Eriobotrva Japonica Lindley)の葉を乾燥したもの。中国中南部の揚子江沿岸地方を原産とするビヮ は，アジアの暖温帯から亜熱帯にかけて分布し， 果樹として各地に栽培される。わが国では関東以 西の石灰岩地帯に野生化したものが見られる。樹 高3-8m。葉は有柄互生し，長さは20cmほど の長楕円形で縁には波状の鋸歯があり先は尖る。 厚く革質で表面は光沢があり，裏面には淡褐色の 絨毛が密生する。開花期は10-11月頃，枝先 に芳香のある黄白色の地味な花を多数つけ，葯に は毛が密に生えている。翌年初夏に4-5cmの 倒卵形の黄橙色の偽果が熟し食用とされる。果実の表面も全体が薄い産毛に覆われている。