燃料電池の現状と將來

摘要

燃料電池が世界で初めて実用に供されたのは宇宙においてであり，出力1kWの固体高分子形燃料電池（PEFC）が人工衛星ジェミニ5号に搭載された。 当時のPEFCの性能はそんなに高いものではなく，その後人工衛星用電源には主としてアルカリ形燃料電池(AFC）が用いられた。 1960年代に入って燃料電池を地上で利用しようとの機運が高まり，先ず第一世代燃料電池と呼ばれたリン酸形燃料電池（PAFC）の研究開発が始められた。 アメリカと日本のガス会社によるTAR GET計画，電力会社を中心とするFCG計画（1971年スタート）が，初期の代表的な開発プログラムと言えよう。