底曳漁船の日本型と北欧型との性能比較に関する研究

摘要

水産工学研究所漁業生産工学部では、平成13年度に全国漁業組合連合会からの受託研究として表記課題の研究を行った。 この研究は北欧の底曳漁船との性能比較により、日本における底曳漁船の問題点の精査を目的とするものであった。最初に船型、漁業形態の異なる日本と北欧の漁船と漁業実態、装備機械と作業性の比較分析を行った。 ついで日本型と北欧型漁船の代表的な底曳漁船として、日本型は85トン型の一そうびき掛廻し漁船を、北欧型は30m級のトロール漁船を選定し、模型実験、理論計算などにより推進性能、耐航性能、操縦性能、復原性能の分析的な比較を行った。 これらの研究によって北欧型の船型、性能を精査し、大きく船型の異なる北欧型との比較を通じて日本型の船型、性能上の問題点の解明を試みた。 また日本型漁船について改良船型を模索した。 研究課題が大きいこと、研究期間が1年弱に限定されたこともあって必ずしも十分な結果を得たわけではないが、不明点の多い課題に対しての総合的研究の試みでもあった。