配管の腐食探傷技術－RTを用いた原油配管自動検査：リアルタイムラジオグラフィー『Thru-VU』

摘要

従来より、油タンク周辺を主とした油送配管の検査には、超音波肉厚測定や、垂直面探傷が行われ、配管の維持、管理が行われている。 ところが、油送配管の多くには、トレース管による温度調節が行われる場合が多いことから、保温材が敷設されている配管が多々、見受けられる。 これら保温の敷設された配管に、超音波探傷を適用するためには、保温材の撤去、復旧という付帯工事が不可欠であり、メンテナンスコストを増大させることとなっている。 また、超音波探傷においては、検査に必要となる時間も多くなり、メンテナンスコスト増加の要因となっている。 一方、原油配管に於ける腐食は、原油中に混在する水分の影響が大きいと言われている。 また、内面腐食に限れば、原油中に含まれるスラッジ等の堆積物下で発生する場合が多く、配管底部に腐食が生成される。原油配管を低コストで、効率的に、しかも稼働中検査が可能な方法として、1998年、米国Omega International Technology社が開発したリアルタイムラジオグラフィー『Thru-VU』を導入し、主としてオフサイト配管の検査に適用している。