超音波可視化技術及び数値解析を用いた電磁超音波探触子の評価

摘要

超音波探傷試験において幅広く用いられる探触子として圧電探触子が挙げられる。圧電探触子は圧電素子の振動を試験体に伝搬させる際に、液体接触媒質の塗布や試験体表面の処理を要する。したがって、高温環境や運転中のプラント設備における長期のモニタリングでの利用は難しい。一方、電磁超音波探触子（Electromagnetic Acoustic Transducer, EMAT）は非接触で超音波の送受信が可能であることから、試験体表面の処理が不要となり高速で検査を行うことができ、高温環境や試験体の長期のモニタリングでの利用も可能となる。第1図に示すように、EMATは永久磁石とコイルから構成される。永久磁石による静磁場と交流電流が流れるコイルによって生じる渦電流との相互作用によって試験体の表面で超音波の送受信が行われる。